直面する管理職の降格と組織再編のリアル!

大企業で進む「静かなる降格」の波紋
記事では、業績悪化や事業再編を背景に、大企業を中心に管理職の降格が珍しくなくなっている現状を伝えています。
内容は、2022年4月に3年以内に必要なスキルを習得しなければ、一般職に降格する制度が導入され、スキル習得の期限が迫っている内容でした。当時のリコー社内には、社員の3割が管理職で、部下のいない名ばかり管理職も多くいたと言われています。
職務内容に応じて賃金を決定するジョブ型人事の導入に合わせ、降格制度を導入した事です。第一弾として、基準に満たない約500人を2軍管理職としました。また、一定の成果を上げれば、一軍に戻るチャンスを有するが、成果が出なければ管理職から外されると言った仕組みです。
この点は、プロ野球選手の様な実力・成果主義的な理論です。一旦管理職になったからと言って、会社への貢献やその能力を維持向上できるとは限らないと思います。これは、ごく当たり前の思考で、従来の日本企業では温情主義や年功序列等から一旦管理職になってしまえば、ある意味、勝ち組として安泰な側面も否定できないと思います。
また、私見ですが、配属部署の職種や組織と社員自身の相性・能力等のミスマッチや上司とそりが合わない為に、優秀な社員であっても冷や飯(冷遇)を食わされたり、退職した社員も多くいたと思います。
(参照図:日本経済新聞から)
この記事の一節は、その衝撃的でもあり、私の経験からするとごくあり当たり前の仕組みで、もっと早く導入されるべきものであったのではないかと思います。
かつては、終身雇用が当たり前だった日本企業が成果主義にかじを切り、グローバル経済の中で競争力を維持する為に外部環境の変化により、「一軍から二軍へ」とも言える降格人事制度の組織内部の改革が、現実のものとなったのです。
中小企業、そして起業を目指すあなたへ
「うちのような中小企業には関係ないだろう」 「まだ起業したばかりだから…」
そう思われたでしょうか? しかし、この記事が示唆する組織の課題は、規模の大小や企業のフェーズに関わらず普遍的なものです。
・経営環境の急激な変化: 予期せぬ市場の変化や競合の出現は、中小企業やスタートアップ企業にとって、よりダイレクトに経営を揺るがす可能
性もあります。
・ポストの限界と人材の流動化: 組織が成長するにつれて、ポストの数には限りが出てきます。また、優秀な人材ほど、より成長できる環境を求
めて流動化する可能性があります。
・成果へのシビアな要求: 組織の規模が小さいほど、一人ひとりの成果が組織全体の業績に大きく影響します。そのため、管理職にはより高い成果が求められ、結果として降格という厳しい判断が下される可能性も否定できません。
降格は「終わり」ではなく、再起へのチャンスをどう創るか
記事では、降格人事を単なる「終わり」として捉えるのではなく、「役割に見合った処遇」や「再チャレンジの機会」を提供することの重要性を強調しています。
「重要なのは、降格をネガティブなもの」として捉えるのではなく、組織の新陳代謝を促し、個々の能力を最大限に活かすための手段とすることです。
そのためには、降格した社員に対する丁寧なフォローアップや、新たな役割での成長を支援する仕組みが不可欠となります。
この視点は、中小企業の経営者にとって非常に重要です。限られたリソースの中で、従業員のモチベーションを維持し、組織全体の力を底上げするためには、降格人事後のケアや再教育の機会提供が不可欠となります。
また、起業を目指すサラリーマンにとっても、この視点は示唆に富んでいます。将来、自分が経営者になった際に組織の成長過程で、時には厳しい決断を迫られるかもしれません。その時、従業員の尊厳を守り、再起を支援する姿勢を持つことが長期的な組織の成長に繋がるはずです。
今こそ、組織の「骨太化」を考える時
記事のタイトルにもある「骨太組織」とは、変化に強く、持続的に成長できる組織のことでしょう。
そのためには、
・透明性の高い評価制度: 従業員が納得できる評価基準とフィードバック体制を構築する。
・多様なキャリアパスの提供: 昇進だけでなく、異動や専門性の深化など、多様な成長の機会を提供する。
・心理的安全性の確保: 従業員が安心して意見を発信し、挑戦できる風土をつくる。
・常に変化を恐れない姿勢: 外部環境の変化を敏感に捉え、組織を柔軟に変化させていく。などが重要になります。
株式会社センターテンは、あなたの組織の「骨太化」を支援します。もし下記の項目が当てはまるのなら!
・組織の活性化に課題を感じている。
・人事制度の見直しを検討している。
・管理職の育成に悩んでいる。
・事業承継やM&Aを考えている。
私たちは、中小企業の経営課題に特化したコンサルティングを提供しています。今回の記事で取り上げたような「管理職の降格」という厳しい局面においても、組織全体の士気を維持し、新たな成長の機会へと繋げるための具体的なサポートをご提案できます。
まずは、お気軽にご相談ください。あなたの組織の現状を丁寧に分析し、最適なソリューションを共に考えさせていただきます。
【参考資料:日本経済新聞 2025年2月の掲載記事より】
※記事の内容は発行時点のものであり、最新の情報とは異なる場合があります。
2025年05月18日 11:46